網膜色素変性症とは

網膜色素変性症は、目の内側を覆っている網膜という組織に異常をきたす遺伝性、進行性の病気です。
網膜の中の視細胞には、大きく分けて2つの種類の細胞があり、杆体細胞は主に暗いところでの物の見え方や視野の広さなどに関係した働きをしています。もうひとつは錐体細胞で、主に中心の視力や色覚などに関係しています。
網膜色素変性症ではこの二種類の細胞のうち杆体が主に障害されることが多く、このために暗いところで物が見えにくくなったり(夜盲)、視野が狭くなったりするような症状を最初に起こしてきます。そして病気の進行とともに視力が低下してきます。全体の50%程度の患者さんに遺伝を認めます。

この病気は原則として進行性ですが、その進行の早さには極めて個人差があります。30代でかなり視機能(視力、視野を合わせた呼び名)が低下する方もいれば、70歳でも1.0の良好な視力の方もいます。長い経過の後に字が読みにくい状態(矯正視力0.1以下)になる方は多いですが、完全に失明する方はむしろあまり多くありません。
網膜色素変性症(指定難病90) – 難病情報センター (nanbyou.or.jp)

障害年金請求するにあたっての留意事項

視力障害、視野障害が併存する場合には、併合認定の取扱いを行う。
例えば、視野障害で2級、視力障害で2級に該当した場合は併合されて等級が1級になります。

1⃣視野狭窄の認定基準

視野は、ゴールドマン型視野計又は自動視野計を用いて測定します。
認定は、ゴールドマン型視野計又は自動視野計のどちらか一方の測定結果で行うこととし、両者の測定結果を混在させて認定することはできない、とされてます。

等級 認定基準
1級 ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80 度以下かつI/2視標による両眼中心視野角度が28 度以下のもの
自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20 点以下のもの
2級 ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80 度以下かつI/2視標による両眼中心視野角度が56 度以下のもの
自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40 点以下のもの
3級 ゴールドマン型視野計による測定の結果、両眼のI/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80 度以下に減じたもの
自動視野計による測定の結果、両眼開放視認点数が70点以下に減じたもの

2⃣視力の認定基準

等級 認定基準 補足
1級

両眼の視力がそれぞれ0.03 以下のもの

「両眼の視力がそれぞれ0.03 以下のもの」とは、視力の良い方の眼の視力が0.03以下のものをいう。
一眼の視力が0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの

「一眼の視力が0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの」とは、視力の良い方の眼の視力が0.04 かつ他方の眼の視力が手動弁以下のものをいう。

2級

両眼の視力がそれぞれ0.07以下のもの

「両眼の視力がそれぞれ0.07 以下のもの」とは、視力の良い方の眼の視力が0.07以下のものをいう。
一眼の視力が0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの 「一眼の視力が0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの」とは、視力の良い方の眼の視力が0.08 かつ他方の眼の視力が手動弁以下のものをいう。
3級 両眼の視力がそれぞれ0.1 以下に減じたもの

「両眼の視力がそれぞれ0.1 以下に減じたもの」とは、視力の良い方の眼の視力が0.1 以下のものをいう。

※視力が0.01 に満たないもののうち、明暗弁のもの又は手動弁のものは視力0 として計算し、指数弁のものは0.01 として計算する。

3⃣遺伝性のある病気だが、初診日はどうなるか

網膜色素変性症は遺伝性が認められる病気ですが、初診日については、「具体的な症状が出現し、初めて診療を受けた日」とされてます。
また、初診日がいつになるかを審査する際の参考資料として「障害年金の初診日に関する調査票【先天性障害(網膜色素変性症等):眼用】」を記入して提出します。

4⃣長い経過の後に字が読みにくい状態となることが多い(初診日証明の難しさ)

網膜色素変性症では長い経過の後に日常生活に影響が生じる視力、視野となることが多く、異常を感じて診療を受けてから長い期間が経過していたり、また網膜の機能をもとの状態にもどしたり確実に進行を止める確立された治療法がないため、通院を止めてしまうことも多く、初診の病院が廃院してしまっている、カルテが残っていない、など障害年金の請求手続きに必要な初診の証明「受診状況等証明書」の取得が難しいケースがあります。
その場合には、初診を証明する資料が必要となります。

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【障害年金請求】初診日について

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